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企画展

英国、セントアイヴスの風 ―リーチポタリーで学んだ日本人陶芸家―

2016年7月16日(土)-10月23日(日)

主催:益子町文化のまちづくり実行委員会、益子陶芸美術館
後援:下野新聞社、とちぎテレビ、栃木放送、エフエム栃木、NHK宇都宮放送局
ましこ国際工芸交流事業

開催期間 2016年7月16日(土)-10月23日(日)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料 大人600円(550円)、小中学生300円(250円) 
*( )内は20名以上の団体 / 65歳以上は300円(要証明)

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1920年、イギリス人陶芸家バーナード・リーチは、後に栃木県益子を作陶拠点とする濱田庄司とともに、イギリス南西部の港町セントアイヴス(St. Ives)に渡り、東洋風の登り窯を築きました。1922年に工房として独立した「リーチポタリー(Leach Pottery)」は、その後多くの優れた陶芸家を輩出し、イギリス現代陶芸の礎となります。また、今日までにイギリス国内外のさまざまな陶芸家が学び、陶芸を介した国際的な交流を深めています。

本展では、リーチポタリーを訪ねて学んだ三人の日本人陶芸家に焦点を当てます。島根県松江で代々続く布志名焼の窯元に生まれ、表情豊かに模様を施したスリップウェアや中世の英国陶器に触発された力強い作品を残した舩木研兒(1927〜2015)。兵庫県篠山で丹波立杭焼の伝統を踏襲しながら現代的な造形を追求し、リーチポタリーでは現地の陶芸家たちとも親交を深めた市野茂良(1942〜2011)。そして濱田庄司の三男として父の仕事を身近で学び、イギリスで触れた陶芸を彷彿とさせる魅力的な普段使いの器を手がけた濱田篤哉(1931〜86)。各々の作品からは、三者三様に異国の陶芸文化を受容し、その後の活動を展開させた様子がうかがえます。

当館の新収蔵作品に、国内美術館や個人のコレクションなどをあわせて、総計約70点を展覧します。さらに、ジャネット・リーチやリチャード・バターハムなど、リーチポタリーにゆかりのある欧米の陶芸家の作品を同時に紹介します。特に近年関心が高まっているスリップウェアの技法をはじめ、日本の風土と伝統に溶け込んだ英国陶芸の薫りをお楽しみください。

舩木研兒《黄釉鳥文大鉢》1952年頃
日本民藝館蔵
舩木研兒《淡鉄釉水注》1970年頃
舩木研兒《スリップ獅子絵大鉢》1975年頃
丹波古陶館蔵
市野茂良《スリップ紋大鉢》1995年頃
益子陶芸美術館蔵
市野茂良《流釉瓶》1991年
兵庫陶芸美術館蔵
市野茂良《草文扁壺》1970年代前半
日登美美術館蔵
濱田篤哉《塩釉刷毛目色差水注》
1960年代
濱田篤哉《塩釉鉄砂水指》
1970年代
濱田篤哉《糠釉鉄絵扁壺》1981年頃
益子陶芸美術館蔵
ジャネット・リーチ《黒陶白掛花瓶》1990年代中頃
日登美美術館蔵

関連イベント

ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)

2016年7月24日(日)、8月13日(土)、9月17日(土)、10月23日(日)  ※終了いたしました
午後2時〜 各回30分程度
場所:美術館展示室
*予約不要・要観覧券