吉川は、益子の伝統釉である黒釉を調合し、2度焼きすることでとろけるような黒の釉調を生み出し、2009年頃に完成させました。花鳥のモチーフを得意とした吉川は、本作でも格子状に区切られた画面に優雅な蝶を描いています。蓋を開くと、漆黒の空間に一匹の蝶が静かに舞っています。