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辰砂絵角壺

木村一郎 (1915〜1978)
1977年 高21.5 幅10.2 奥行12.0cm

ゆがみなく美しく垂直に立ち上がった直方体の角壺。辰砂が全体に塗られ、蝋抜きと鉄絵によって側面全体に笹文が描かれています。木村は益子生まれですが、京都の国立陶磁器試験場で伝習生として学び、修了後すぐに商工省工芸展で入選するなど、華々しい活躍を見せていました。木村は辰砂釉やガラス釉を用いたり、練上の技法を用いたりするなど、それまで益子にはなかった釉薬や技法を用いて制作し、当時の益子において異彩を放つ存在でした。本作は木村が用いた代表的な釉薬の一つ、辰砂釉を用いており、その緊張感ある器形と鮮やかな緋色から、木村の代表作の一つといえるでしょう。