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象嵌陶筥

木村一郎 (1915〜1978)
1964年頃 高7.2 径14.3cm

京都の陶磁器試験場を出てから2年後の作品です。青色と白色の色彩の異なる土を用いた、練上げによる市松の陶筥です。中央がドーム状に盛り上がった四方筥で、脚は四隅に合わせたL字形で、鉄釉が塗られています。市松模様の一つ一つの四角形の中には、すべてに文様が入っており、青地には白で四隅に輪があしらわれた文様が、白地には黒で渦文が象嵌されています。ゆがみのない市松や丁寧な象嵌文様からは、木村の繊細な仕事ぶりと技術の高さが見受けられます。