ホーム > 展覧会事業 > コレクション > 濱田庄司 > 壺

濱田庄司 (1894〜1978)
1922年頃 高19.0 径20.0cm

イギリスで制作された作品。イギリス時代の作品には、東洋風の作品と英国風の作品とがあり、本作は前者にあたります。上部に重心がくるように引き上げられ、肩はなだらかに張り、口縁部は円筒状にたちあがっています。全体に白泥による刷毛目が施され、胴部上下に鉄絵による線がめぐらされ、三方には植物文が配されています。これらの意匠は明時代の磁州窯系陶器や絵唐津を彷彿とさせ、濱田の古典学習の様相がうかがえます。また、このころから闊達な筆線によって絵付けが施されており、初期作品ながらも、のちに確立される濱田の作風が垣間見える作品です。高台内には、「庄」とセントアイヴスの印が押されています。